『ミニマリストという生き方』を読む
3月に入り、暖かかったり寒さが戻ったりしてますが、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、ほんのよこみちです。
ちょっとでも陽気が良くなると、すぐに浮かれて、断捨離をしたくなってしまいます(ただし、我が家がきれいに片付いているとは行っていない……)
で、この本を読みました。
ミニマリストって、私には絶対無理! と思っていたんですけどね。
ただ、いろんな片付けの本を読んで、ちょこちょことやっているうちに、なくても平気なものは、ない方がラクだな、と気づく昨今。
極限に挑戦! とか言うんじゃなくて、自分の適量を知っていくのは、まあアリかなと私も思うわけです。
この本では、5人(4人と1夫妻)の方のお部屋を写真で取り上げ、かつ、生き方・暮らし方についてのインタビューが載せられています。
そして、著者である辰巳渚さんが、インタビュー等を通じて考えられたことなどが、社会論っぽくまとめられています。
(社会論っぽい……と感じたのは、あくまで私が社会学とかをよくわかっていないせいで、辰巳さんに非があるわけではありません)
ここで初めて知ったのが、「ミニマリストという生き方は、手段であって目的ではない」ということでした。
余計なものをそぎ落とすことで、自分がどういう生き方をしたいのか見つめ直す。
仙人予備軍を目指している、というわけではないということですね。
私たちは、毎日生きている中で、どうしてもいろんなモノに囲まれてしまってます。
所有することで一時的な幸福感を得てしまうので、これはもう避けられないのですが、気がつくとモノが増えているという社会に生きています。
それが、一瞬にして崩壊してしまったのが、東日本大震災で。
今日は昨日の延長線上にあるのではない、ということを、震災は示してくれちゃいましたよね。
100歳まで生きられるという保証なんかどこにもない。
いつすべてを失うかわからない。
モノを貯めこむことの虚しさと、限りある自分の時間をいかに使うか。
ミニマリストさんたちの目線の先に、そういうものが見えました。
でも、そういうのだったら、他の片付け本にも見えるよね? と思ったあなた。
そう。片付けしさえすれば、幸せが棚ぼた式にやってくるわけはないですもんね。
この本で、私が「他と違う」と思ったのは、辰巳さんの第4章での分析です。
ミニマリストさんたちとの会話の中で出てきたワードについて、思考されています。
その中で推奨されているのが、江戸時代の職人のような働き方。
片付けからそっち? と思われるかもしれませんが、生き方について考えてるんですから、そうなるわけですよ。
効率優先の働き方って、つまりは労働力の大量生産・大量消費ですもんね。
コストカットとか生産性向上とか、人間に対して使う言葉としては、体温が低く感じられます。
ワークライフバランスというのも、つまりは「仕事=苦役」が前提のように感じられます。
まあ、どんな仕事も、「納期」が決まっていてせかされたら、「苦役」になりますわな。
仕事の「質」も、自分でどんどんあげていけたら、やりがいも増しますわな。
そういうことです。
とは言っても雇われの身では、働き方を決めるなんてできません。
だから、自分の生き方を見つめ直す必要があるんですね。
小島よしおさんもおっしゃってます。「頭のなかで考えていることは、アクションをすぐにしよう」と。
一発屋芸人と思われてるかもしれませんが、やっぱり頭のいい人です。
うだうだ考えてる暇があったら、何年も読んでない本を整理しなさいってことですね。
(そして、読み始めて「やっぱり面白い!」と泥沼にはまっていく……)