『子どもの脳を傷つける親たち』は、もっと早くに読みたい本でした。
こんにちは、ほんのよこみちです。
『子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)』は、TVでも取り上げられたようですので、ご存知の方も多いのかもしれません。
あいにく私はその番組を見ていなかったので、知るのが遅れました。
でも、読んですごくよかったです。
自戒的な意味で、かなりキツイですけどね(苦笑)
この本では、虐待という言葉は使われず、マルトリートメント(不適切な養育)と言われます。
体罰もそうでし、面前DV、性的虐待、ネグレクト、精神的虐待も、マルトリートメントです。
それらの不適切な養育が、子どもの脳の成長にどのような悪影響を及ぼしているのか、また、悪影響ゆえに変形してしまった脳を持つ子が、どのように養育すれば回復してくのか、具体的な事例とともに書かれています。
結構、ショッキングです。
私も上の子が不登校になってから約6年、いろんな本を読みましたし、精神科医の話も聞きに行きましたし、精神的に打ちひしがれてきました。
子どもが精神的に苦しんだ背景には、いじめだけでなく、家庭環境に問題があったことも理解しましたし、私自身の生育環境に問題があったから、苦難の連鎖が続いていることも理解しました。
自分にとっての常識を否定し、子どもにとって何が最良なのか、という視点からしか、子どもを救う道は見えないことも理解しました。
褒められたことのない人間が、子どもを褒めるということは、失敗の連続です。
でも、この本のように、科学的事例をつきつけられると、弱音を吐いてる場合じゃないよな~と思います。
この本の後半では、愛着障害についても取り上げられています。
愛着障害と言えばこの本ですが⤵
岡田尊司氏は、ちょっと3歳児神話というか母性神話というかに傾いているきらいがあるので、母親という立場で読むと辛いです。
でも、子どもの立場からすると、そうだろうなとは思うので、患者は子どもという立場の本としてはわかりやすいと思います。でも、辛い。
この本『子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)』でも、特定の養育者の重要性は唱えられています。
しかし、著者が女性の先生だからか、一方的な母親神話に傾いているようには見受けられません。
愛着形成の重要性を説きつつ、愛着障害となってしまった子の養育方法や、母親自身のケアについても言及されています。
だって、子どもが愛着障害の場合、親も愛着障害である可能性がありますからね、うちのように(苦笑)
この本を読むと、うちの子は早熟だと感じていたことが、マルトリートメントの弊害による事象だった……という現実も突き付けられます。
母親は忙しいし、あれもこれも抱え込まずにはいられず、かつ、やって当たり前と周囲からは見られます。
息抜きはしたい。
ただ、息抜きの仕方を誤ると、その子の許容範囲を見定めた上での息抜きをしないと、10年後、20年後に、大いなる壁にぶち当たります。私のように。
もちろん、夫婦喧嘩を子どもの前でやるなんて、絶対駄目。
他のママもやっていて平気そうだから……というのが通用しないのが、愛着形成ですね。
それでも、子どもの脳も精神も、たとえ傷ついてしまったとしても、その後の大人の対応次第で、修復能力を見せてくれるようです。
トラウマを背負って傷ついているとしても、人間は再び立ち上がることができます。
まあ、前回記事にしたカフカのように、モラハラ発言をぶつけまくった挙句、フォローもしなければ、絶望から立ち上がる気力なんて、カフカでなくとも湧いてきませんがね。
honno-yokomichi.hatenablog.com
過去は戻りません。
しかし、生きている限り、これからできることはあります。
この本『子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)』にもっと早く出会っていれば、我が子にしてしまったマルトリートメントの多くを回避できたでしょう。
そう思うと、残念でなりません。
なので、親である人たちには、ぜひご一読をお願いしたいと思います。
また、ご自身が親御さんからマルトリートメントを受けて来られた方にも。
今のお辛い気持ちを乗り越えて、これからの人生を楽しく生きていくためにも、苦しいでしょうがご一読いただければと思います。
私も『愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)』を数年前に初めて読んだときは、しばらく浮上できませんでした。
読んでくださったあなたが、もし、私と同じように浮上できなかったとしても、悪いのはあなたではありません!
親に、ひざまずいて泣いて詫びを乞うて欲しい、と願っても、その気持ちが通じるとは限らないし、そうしてくれるとは限らないし、仮にそうされたとしても、傷ついた過去は消せないです。
他人を変えるのは難しい。
だから、自分が変わった方がはるかに速いし、最終的にはラクになると思います。
一人でも多くの傷ついている方に、安らぎが訪れることを願いつつ……。