平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』を読みました
今さらですけど、読みました。平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』。
ずっと気になってたんですけど、実は私、【恋愛小説】が苦手なんですよね~。
で、ツイッターなどで「良かった~」というつぶやきを見ながら、ごもごもやってたんですよ(苦笑)
で、読んでみて。
私はこの作品を、【自分の弱さとどう向き合うか】という小説ととらえました。
蒔野というバイオリニストと洋子というジャーナリスト(父は著名な映画監督)、この二人の恋愛を中心に、確かに話は進みます。
ただ、冒頭ですでに蒔野はスランプを匂わせている。
洋子もイラクで、命の危機を感じるような出来事に遭遇してしまう。
そんな二人の恋愛感情が、非常に危ういバランスの上で、交わされていくんですね。
危ういのは、互いの弱さ。
そこに、蒔野のマネージャー・早苗が、これまた弱さを持ち込むんです。
人間は、こんなにも弱い……。
この小説を読むまで、私は半年以上、新作小説が読めませんでした。(既読の小説は読めましたが。)
平野啓一郎さんの文章力はさすがですね。
私の精神的な弱さ(故の新作読めない症候群)を、簡単に突破して下さる♬
小説自体はとにかく面白くて、文句のつけようがないハイレベル。
個人的に、ラストは私の好みではないんですが、そこを追求するとネタバレクラッシャーなので、以下省略。
面白うございました。