【詩人・大崎清夏さんと巡る世界の詩 第2回:詩のお祭りを旅する】in双子のライオン堂さん、で得た思考の広がり。
ほんのよこみちです。
12/8のことになってしまいますが、双子のライオン堂さんで開催された【詩人・大崎清夏さんと巡る世界の詩 第2回:詩のお祭りを旅する】に参加してきました。
思考のお土産を、たくさんいただいて帰りましたよ~ん。
(記事の更新がとろいのは、ひとえに私の体力のなさです。どうしてコタツに入ると眠くなるんだろう~当たり前か💧)
2019/12/8(日)14:00〜<詩人・大崎清夏と巡る世界の詩 第2回:詩のお祭りを旅する > ゲスト:iidabii https://t.co/DhOPeZiGsY
— 双子のライオン堂(「しししし3」は来年春!予定) (@lionbookstore) 2019年12月7日
iidabii @iidabii_ さんと 大崎清夏さん @chakibear による、『詩人 大崎清夏とめぐる世界の詩』、第2回を終えました。
— てわたしブックス #文フリ東京 チ-11 (@tewatashibooks) 2019年12月8日
パフォーマンスを通して知る世界の詩、そしてそこに出会う二人の詩人それぞれの旅、とても印象に残る一日でした。
やってよかった!
ありがとうございました。
iidabiiさんの半生と朗読の迫力に圧倒される。
前回の記事で『詩集』について、書かせていただきましたが。
iidabiiさんの詩作は、経験主義だそうです。
つまり、受難の書かと思うような『詩集』の中身が、実体験に基づくものであり、かつ講座で紹介される現実は、さらにすさまじい苦難の半生で……。
この穏やかに笑みを浮かべながら、ボケをはさみつつ話すこの若者は、どんだけ苦労をしてきたんだと、言葉が出ませんでした。
プライバシーのことなので、他人がネット上に書くことではないと思い、詳細は控えます。
ただ、iidabii少年には子どもらしい子ども時代がなく、家族の状況に左右され続け、進学も断念し、就職先はブラックで、抑圧ばかりの人生だったにもかかわらず、詩という解放の居場所を見つけて、人の心を打つ詩を詠んでいるという奇跡ですよ。
もっともっとひねくれていたって、仕方ない半生だったと思うんですけど。
朗読も、すごい迫力で、怖いくらいでした。
怖い中にもユーモアがあり、テーマ詩だったんですけど、そのテーマのとらえ方が正直すぎるくらいの正直さで、なるほどなあと……。
詩は、何でもありの解放の場所、と仰る意味がなんとなく分かったような気がします。
詩の多様性が、人間を解放する。
iidabiiさんは体験を詩にするタイプの方ですが、大崎清夏さんはうその世界をつくって詩を書かれるタイプだそうです。
お話をつくって、お話の世界を構築するうちに、詩ができる……なんて、さすが詩人!
今回、ご紹介下さった世界の詩にも、自身の教養を深める目的での詩、というのもあるようです。
詩作の過程が、すでに学問!
詩ってホント、いろんなつくり方があるんですね。
この多様性こそが、詩をつくる人間の解放・救済に、必要なんだと思います。
文学はやっぱり人間のためにあるものですし、自分自身を放出させたい人もいれば、架空の誰かをつくりたい人もいます。
独白したいときも、異界の城を築きたいときも、あります。
それでいいんですよね。
詩は、文学のためじゃなくて、人間のためにある。
私はそうであってほしいと思います。
世界の詩と日本の詩の、味わい方の違い。
世界では、音楽のように詩の朗読を楽しむ習慣があるようですが、日本ではまだまだ詩集を個人が黙読することが主流です。
本を読むことですら、一部の趣味人の嗜み……みたいになってきていますので、結構ヤバいですよね。
朗読を聴くことは、目で見て読むより体力を使いますので、高齢化社会という現実を突きつけられている気分です。
でも私も、脳の情報処理能力の衰えは感じてきているので、まずいです。
自分のペースで詩を黙読する方が、ラクか否かと言われたら……ラクですし(^_^;)
一編の詩を読むのに、何十分もかかったりしますが。
アメリカでも、詩の朗読パフォーマンスを楽しむ文化が、普通にあるそうです。
子ども向けのアニメにも、そういうシーンがあるんですって。
驚きじゃないですか。
翻って、詩という文化の社会的地位が、あまり高くない日本。
この差も、子どもの読解力問題に関わっているのでしょうか……( ̄▽ ̄;)
世界の詩はメッセージ、日本の詩は言葉芸術。
また、日本の詩は言葉と言葉の関係性に注目するものが多いのに対し、世界の詩はメッセージ性の強いものが多い、というお話も出ました。
これはやっぱり、アレですかね。
政治と宗教の話は、してはいけない、という不文律。
メッセージ=政治……というわけではないと思いますが。
作家は政治の話なんかしないで、文学やってろ……っていうような声は、昨今でも目にします。
でもこれって、自分で自分の首を絞めてるんじゃないですかねえ。
内向的な奴隷を量産する思考では?
まあ、教養も知性もなく政治を語ると、反対派の人の反感を買うということはありますが……日本っていつからそんな国になっちゃったんだろう……。
政治に無関心で、芸術に心血注いでる……って、足利義政か?と思っちゃうんですがね。
同調圧力で侘び寂びに傾倒しても、仕方がありません。
異文化である世界の詩に接することで、最初は肌に合わなかったとしても、異文化からいろんなことを学んで、視野を広げて、知らず知らずに身についた隷属的体質を、改善していきたいと思います。
そして。
人間は、いろんな情報を仕入れても、自分が解釈したいように解釈してしまう生きものです。
今回の講座を受けて、結局、自分の考えの近い方に引っ張ってとらえているなぁと、自分の小ささを反省しているところです。
しているんですが、自分の知らないことって、世の中にまだまだたくさんあるなと思い知らされましたし、だからこそ、今、わくわくしています。
いろんな人の考えや作品を、もっともっと知りたい!
これまでついつい、感覚の合う作家さんの詩や小説やエッセイなどを、好んで読んでいたような気がします。
でも、その行為は自己愛でしかないんじゃないのかな、と。
もういいトシなんだから、子どもみたいなことやってないで、自分の器を大きくしていかなきゃ、かっこ悪いですね。
大崎清夏さん、iidabiiさん、『て、わた し』の山口さん、ありがとうございました!