【教育】『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』を読む
平田オリザさんの『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』を読みました。
現代は、何はともあれコミュ力重視な世の中なので、窮屈な思いをされている方も多いのではないでしょうか。
かく言う私もコミュ力が足りず、たまたま周囲に良い人たちがいてくれたおかげで、今日までなんとか生きて来られた……という程度の人間です。
難問ですよねぇ~。
平田オリザさんはこの本で、「教育」と「芸術」という視点から、コミュニケーション能力について語られています。
なので、現代の忖度教育……先生が何を正解とするか、生徒が先回りして読んだ上で解答する……なんてのにも、批判的なご意見のようです。
そういうことやってたら、コミュ力がつくはずないでしょう? と。
つまり、この本で取り上げられているコミュニケーション能力とは、日本人が日本人社会で空気を読むコミュ力ではなく、世界の人々と対等に渡り合うためのコミュ力です。
まあ、鎖国して生きていくわけにはいきませんから、これから必要となるのはそういうコミュ力ですよね。
就職活動にしても、昔は、一般事務の正社員とか、技術系の正社員とか、普通に求職がありました。
でも、現代はIT化が進んだり、産業構造の激変があったりして、上記の仕事は専ら非正規職の市場だったりします。
正社員として働きたければ、営業職がついてくるとか。
当然、職人気質でコツコツ努力するのが得意な人は、苦労するんですよね。
じゃあ、どうすればいいのか。
この本を読んだイメージとしては、「普通はこうだよね」という意識を除外するということなのかな、と思いました。
わかりあえない、というところから始めましょう、ということですね。
日本は島国で村意識の社会ですので、空気を読んで、忖度して当たり前、という社会ですよね。
空気を読めなければ非難されますし、常識外れなことをやらかすといじめられます。
でも、そんな日本人のコミュニケーション文化は、世界の中では少数派なんだよ、と。
なので、ナイフとフォークの使い方を覚えるように、自分とは違う文化の人と対話するやり方を身につけましょうということですね。
コミュ力をつけよう……と言うと、何だか人格矯正されてるみたいな気になること、あります。
今の自分ではだめだから、もっと変わらなきゃ、と。
でも、ナイフとフォークを使うように……と言われたら、気が楽になりませんか?
私もうちの家族も、ハンバーグはお箸で食べたい派です(笑)
ですが、お店では、どんなに下手でも、ナイフとフォークを使わざるを得ませんからね(苦笑)
それで、個人の人格が否定されたりはしません(下手だと恥はかくかもしれませんが)。
で、世界で通用するコミュ力とはどんなものなのか。
この本を読んでいくと、次のようなことなのかなと思えました。
① 相手を言い負かそうとしない。
② 相手と対話することで、自分と相手の意見にプラスアルファとなるような新意見を見つけることを着地点とする。
③ 相手が話しやすくなるよう、少し丁寧な言い回しを心掛ける。
④ 自分が相手だったらどう思うだろう、と考える。
以上が、私がこの本を読みながらノートにまとめたことからの抜粋なのですが、「本当かよ?」と思われた方は、
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) をご一読下さい!
なんか、書いてて営業妨害な気がしてきたので……(''◇'')ゞ
え~っと、この本には、平田オリザさんならではの、なんで「芝居がかったセリフ」なんてものが存在するのか、という話題もあります。
面白い。
「教育」+「演劇」視点の本ですので、勿論、そういう授業とかプロジェクトとかの話題もたくさんあります。
演劇人ならではの、キツイ一言も後半にあったりしますが、「自分とは違う文化で生きてきた人の意見」として、落ち込むことなく、視野を広げるつもりで、「そういう考え方をする人もいるんだ」と受け止めていただけると幸いです。
てか、私はそうしました。
平田さんは言葉どおりに受け止められたのでしょうけど、弱音を吐いた方は、そういう文字通りの意味じゃなくて、単に「忖度社会に疲れた」って言って、そんな自分をそれでも肯定して欲しかっただけなんじゃないのかなあ……と思ったのですが。
私だったらそういう意味で言うと思うので。
何のことかわからないですって?
だったら、
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書) の218ページにGoだ!(>_<)
もう、あほさダダ洩れですね。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>
これであなたのコミュニケーション力が激増する!なんて記事ではございませんでしたが、あなた様に幸運が訪れますように、とりあえず祈願しておきます。
合掌。