『暇と退屈の倫理学』を読む
いや~、重かったです。物理的に、本が(苦笑)
寝転がって読む本ではなかったですね(反省)
「暇」と「退屈」について、哲学、倫理学のみならず、人類学、歴史学、経済学、社会学、政治学、生物学等々、さまざまな分野から考察された、興味深い本でした。
哲学的な語彙はあまり使われてませんので、私のような素人でも、なんとか読み通すことが出来ました。(ただし、注は読んでません)
個人的に、私は「暇」とか「退屈」って思ったことがありませんでした。
時間があれば本を読みたい派、なので。
しかし、そういうのすら、実は「退屈」から逃げたい故の事……みたいに書かれていると、國分さんの論に対抗したくなったりして、読んじゃったんですね。
この本は、結論を急いでも得るものはない……という本なので、気になられた方はご一読なされてはいかがかと思います。
表紙に書かれている、「何をしてもいいのに、何もすることがない。だから、没頭したい、打ち込みたい……。」という文章も、気になりますよね。
私は読書をしていれば幸せな部類ですが、「それでどうなるの?」と言われれば、返す言葉がないです。
自己満足。それだけ。
この本も、読みながら感じたことをノートに書いていたりしてたのですが、そういうことも結論の一つかなと思ったりします。
さまざまな状況において、結局、自分はどう楽しむか、なのかな、と。
それにつけても、哲学をされている方は、先人のテクストを冷静に批判したり、肯定できる部分は肯定したり、その思考力はすごいな、と感心してしまいました。
学校教育に浸ってしまっていると、教科書に載っているものはすべて正解! という気になってしまうじゃないですか?
もちろん、天動説を信じる人は、現代日本にはいないでしょうけど。そういうカルト教団とかでなければ。
やっぱり、何事も体系立てて学んでいくことは大事だな、とも感じました。
多分、自分に知識と思考が蓄えられていけば、矛盾にも気がつくし、空白部分にも気づく。
それは、ウィキペディアで情報を仕入れた程度では、どうにもならないもののように思います。
だから、学習が面白いのです。
この本を読むこと、読んで考えることも、面白かったです。