『かぐや姫の物語』を見ていると、現代社会に縛られている子どもの叫び声が聞こえた
こんにちは、ほんのよこみちです。
金曜ロードショーの『かぐや姫の物語』、皆さまはご覧になられたでしょうか。
不覚にも、私は今回初めて見ました。
かぐや姫の叫び声が、そのまま現代社会に縛られている子どもたちの叫び声に聞こえました。
あらためて見ると、表現方法が斬新であるように思えました。
私はアニメの技法などについて全然知らないのですが、今どきっぽくない表現を、新しく感じました。
それからやっぱり、かぐや姫の人間っぽさ。
高畑勲監督は、大人にとって都合のいい子どもを書きたくないと、以前新聞のインタビューに答えてらっしゃいましたが、かぐや姫もそういう、都合の良くない子どもですよね。
社会一般では、都に住んで貴族の仲間入りをすることが幸せとされている。
でも、かぐや姫はそんな枠にはまることを窮屈に感じてしまう。
学校が合わない、と感じる不登校の子たちって、まさにかぐや姫なんだろうなあと思いました。
同じ作品を見ても、人によって解釈って大きく変わりますよね。
暗い死んだような眼をしたかぐや姫が、私には身近な子どもたちと重なって見えました。
ここではないどこかに行きたい!
そう思って、ため息をつきながら、家の中にいる子どもたちに。
私は、媼のように、子どもの心に寄り添っているだろうか……。
竹取物語のストーリーはわかっていますが、非常に悲痛な物語だったのだと、あらためて感じました。
社会の仕組みとか常識とかいうものは、ときに人間を不幸にする。
ともすれば思考停止になってしまうようなきれいごと、それにどっぷり寄りかかってしまうことに対する警鐘……。
この映画は、本当に素晴らしい作品でした。