文月悠光さんの『わたしたちの猫』の私なりの楽しみ方。
ほんのよこみちです。
今月は文月悠光さん月間なので、詩集とエッセイ集を読みまくってます!
今回は、3作目の詩集『わたしたちの猫』です。
この本は《恋愛》をテーマにした詩集なので、素人でも読みやすかったです。
てか、詩集の感想で「読みやすかった」なんて、知的レベル低すぎなんですが💦
恋愛は、まあ誰でも一度は通り抜ける人生の通過儀礼……みたいなものなので、共感できる言葉も多く、だからこそ身近に感じるのかもしれません。
読みながら、気になる言葉、文章を、ノートにメモして、ページをめくり続けました。
で、最後まで読んで、ほお~っと一息ついて、ノートを見返したとき。
たまたま書き出した文章を、そのままつないで朗読しても、すごく奥の深い詩のようになっていることに気づいたんです!
一人で生きていけるもの同士が
一書になるから恋は奇妙だ。
見えない星は闇を塗りつぶして
この闇を「ヨル」と名付けた
瞳の奥の静けさを裂く。
ぼくたちは呼ばれる森
とげを光らせているのは、
今の場所をうばわれぬため。
たりないことはうれしいことだ。
口に含めば、甘くあふれ出すきみの名前。
たとえば六月の青い冷蔵庫となって
言葉を選べない寂しさが
わたしを光にしたのだろうか。
『わたしたちの猫』より抜粋
読んでいて、ぞくぞくしました。
私だけの、文月悠光さんの新作を手に入れたみたいで!
もちろん著作権は文月さんとナナロク社さんにあるんですが。
詩って、こういう楽しみ方をしてもいいんじゃないか? とふと思ったのでした。
俗な邪道的楽しみ方だというのは、百も承知の上で。
日本は二次創作文化の国ですから、詩も二次創作があっていいんじゃないかと。
もちろん、権利を侵害するのはご法度です。
ただ、文学的知識がないと理解してはいけない芸術、というのでは哀しい。
個人で、自分の物語として、詩を読み言葉を楽しむ。
深めるために、文学的立ち位置や背景を知る。
そういう読み方も、許してもらえませんかね。
詩を学びたくて読み始めたのに、いつのまにかいつもの立ち位置から読んでますね💦
ホントは、もっと若いときに読みたかったです。
そして、今、このブログを書きながらもう一度ページをめくると、上に挙げたのとは別の文章が、光り輝いて飛び込んでくる。
え? またメモですか?
そのうち、一冊全部を書き出しているかもしれない……。
現代の生きづらさを抱えている人に。
文月悠光さんという詩人さんの言葉は、あなたの琴線を愛でてくれるものかもしれません。