『日本会議 戦前回帰への情念』を読んで考えた、女性やマイノリティーの人権が蔑ろにされる国。
ほんのよこみちです。
山崎雅弘氏の『日本会議 戦前回帰への情念』を読みました。
いやぁ~、読んでて怖かったです。
今の政権ってそんなの? と思ってしまいました。
この本は3年前の本なので、閣僚などは現在とは違いますが。
なんだろう、昭和のアニメやマンガみたいです。
ギャグなの? マジなの? という感じ。
以前、同じ山崎氏の『歴史戦と思想戦』を読んだときも、なんだそれ? って思いましたけどね。
ホント、寄生されてるって感じです。
日本会議の人たちは、大日本帝国こそが日本、という感覚の人たちで、だからこそ日本国憲法を廃止して、実質大日本帝国憲法な、新しい憲法を制定したい意向です。
それで何がしたいかって、自分たちが利権をあさりたいんじゃないかとしか、私には読めません。
天皇を国家元首として……と言いつつ、なんか傀儡であればよし、みたいな空気が、言葉の端々から漏れてますよ。
戦前の日本に戻したいから、女性の人権もマイノリティーの人権も、蔑ろ。
女系天皇を認めたくないから、男女平等なんてありえないそうですよ。
こんなのが、今の政権与党だそうです。
昔はもう少し自制心があったんだけどなあ。
大日本帝国の何が駄目って、国民の人権を一切無視して、その命を消耗材と考えて、平気で無駄死にさせるような連中が、国のトップに巣食っていたことです。
司令部が無策無能であるが故に、死ななくてもいい何万もの人命が散っていった、にもかかわらず、そのことに対する反省がない。
無能な司令官の下で戦わざるを得ない兵士ほど、哀れなものはありません。
兵隊を死なせること前提で立てた作戦なんて、愚策でしかないでしょ。
長期的に見れば、現役世代の国民を減らしていくことは、国家の破綻でしかないんだから。
でもって、司令部には明確なビジョンも何もなく、ただ自分たちの保身ありき……ときたら、ですよ。
なので、私は日本会議が望むような国になってほしくありません。
敗戦に至る経緯から学び、人権意識の高い、諸外国とも友好関係を結びつつ、言うべき時には言う(でも、逃げ道はつくっておく)、そういう国であってほしいと思います。
誰も虐げられることのない、いろんな境遇の人が住みやすい国。
どの親の子に産まれても、ご飯が食べられて、学習ができて、生きることを楽しめる国。
一部の人間だけが得をするような国では、これからの発展は望めないでしょう。
そんな社会に、魅力を感じないから。
外国の方に来ていただかないと、人口減少社会はどうにもならないのに、魅力のない社会に、誰が来ますかね。
「騙された!」って思って帰国されてしまうことは、長期的に見ると損ですよね。
日本に悪印象を持った方が、世界中に散らばってしまうことですから。
軍事力をどんなに増強しようとしたって、しょせん日本は小国です。
周囲の国々の理解を得ながら、世界の国々と協調しながら、立ち回っていくしかありません。
なのに、女性やマイノリティーの人権が、あんまり大事にされてないっていうことは、人権問題に敏感な国の人からしてみると、同じ土俵で話せない、意識後進国でしかないんですよね。
端的に言うと「あいつら、やばいよね」っていう感じ。
この「やばさ」に気づく政治家が、もうちょっといてもいいと思うんですけどね。
まあ、国民の中にも無関心が蔓延しているから、仕方ないのかもしれませんね。
ということで、冗談みたいな現実問題の、怖さを突き付けられた本でした。
山崎氏の本を読んで、昭和初期をもっとちゃんと学ぶ必要性を感じました。
日本史の授業って、明治維新以降はつまらなかったので、記憶飛んでるんですけど、そんなこと言ってちゃいけませんね。
せっかくこの時代を生きているんですから、もっと溺れるくらい、味わいたいと思いました。
ありがとうございました。m(_ _)m