映画『ヴェノム』を観て思うのは、怖い世界に生きているという現実?
子ども(中学生)の希望で、『ヴェノム』を観てきました。
映画『ヴェノム』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
墜落したスペースシャトルに乗り込んでいたエイリアンが、地球に降り立って人間に寄生していく。さあ、どうなる⁉ という物語です。
ハラハラドキドキしながら見てたんですけど、ああマーベル作品でしたね。
アメコミだって意識して見ると、わかりやすくて痛快な映画でした。
……で、終わっちゃうじゃん!
個人的には、主人公を追うためにドローンが無人戦闘機のような役割を果たす、そのシーンが結構ショッキングでした。
昔のSFにありがちな映像ですけど、これ、もうSFじゃないじゃん!
実際にドローンは地球上を飛んでいるし、Amazonは荷物を運ばせようとしているし、もちろん軍事利用も研究されているはず。
『武器輸出と日本企業』にもちらっと書かれていたので、もはやそういうのが普通に考えられている時代なんだな、と、そう思うと怖いです。
それから、やっぱり悪い奴は殺されても仕方がないという考え方なんだな、と。
主人公は悪徳事業家と戦いますが、ストーリーの進行上、いろいろなアクションをやります。
アクションの過程で、死者も出る。
もちろん、主人公は死者が出ないように、特に普通の人が死なないように気をつけます。
でも反面、社会的弱者を狙う悪人に対しては、罪悪感がない……。
これはアメコミ映画ですから、スタンスとしては痛快アクションなわけです。
正義は最後は勝つし、悪い奴は滅ぼされる。それは間違いではないと思うんですが。
私自身も、子どもの頃は『必殺仕事人』シリーズとか好きで見てましたし。
権力者が悪事を働いて、それが市民の生命を奪うようなことであれば、死をもって償わせろ。
フィクションであれば、そういうストーリーを予想してしまいます。
なんですけど……。
権力者ではなくとも、人間は時に悪事を働きます。
時に誰かを傷つけ、誰かの生活を脅かすようなことをしてしまいます。
そして、されれば腹が立つ。腹が立つから恐怖でもって脅し返す。
それで、やった本人が悪事を改めればそれでいいじゃんか、と思ってしまうんですよ。
悪事は良くない。しかし、責められるのはあくまで行為であって、人を裁く権利はなくて。
正しければ何をやってもいいわけではない、という視点で考えると、この映画の展開は、ちょっと怖いものでありました。
こういう空気を好んできた連中と、同じ地球上で生きていくんですね。
武力でも、物量でも、人的資源でも、我々は大国にかなわないわけですから、頭を使うしかありません。
この世界から、逃げることはできないんですから。
アメコミ映画見てなに考えてるんだよ? ですが。
日本が無敵ヒーローに憧れるのは、やっぱり無責任だと思うので。
『ドラゴンボール』のミスターサタンを目指すべきなんですよね、このくには。
あ、そういう点で見れば、『ヴェノム』ってそういうことなんですかね?
お株を奪われたら、さらにやばいじゃん。
娯楽映画で、密かに外交力レベル競技会が行われている模様です(゚Д゚;)
テーマは強力な敵との共生ですね。
って、どこが映画の感想記事やねん!
失礼いたしました。m(_ _)m