ほんのよこみち なブログ

元不登校の高校生と、ひきこもり→就労準備中の子を持つシングルマザーが、このくにで生きることを考えながら、本と好きなことを語ります。

【三国志展】は、エンターテインメント色の強い展覧会でした……

ほんのよこみちです。

上野の国立東京博物館で開催中の【三国志展】に行ってきました。

sangokushi2019.exhibit.jp

 

 

写真撮り放題!

この展覧会は、フラッシュさえたかなければ、写真OKなので、スマホの充電だけは注意しましょう。

あれもこれもと写真撮りまくっていたら、あっという間に、充電がなくなってしまいます。(私だ……(^^;)

 

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関羽像です。

イメージとしては、もっと髭が波打つように多いんでは? だったんですけど、それは演義での創作で、こちらが史実に近い模様。

この像の制作年代が、三国志演義が書かれた時代より古いので、そういう解釈ができるわけですね。

 

エンタメ色の強い展示構成

というように、私は「三国志の史実はこうだ!」みたいな展覧会を期待して行ったんですが、かなりエンターテインメント作品と融合した展覧会でした。

音声ガイドも、吉川晃司さん版と真三国無双版とあるし。(私は吉川版をレンタル)

横山『三国志』の原画も展示されているし。(これはこれですごい!)

人形劇『三国志』のお人形様たちもいらっしゃるし。(意外にでかくてびっくり!)

音声ガイドで、ちょくちょく吉川さんが、吉川英治三国志』を朗読されてるし。

展示も「吉川英治三国志』のこの部分は創作ですが、実際にあったら、このような道具を使っていたかもしれません」とか解説入れながら、当時の食器とか並べてるし、なんなのそれ?

 

まあ、赤壁の戦いで、孔明が10万本の矢を集めたとされる場面、あれの再現イメージは圧巻でした。


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ここでも皆さん、写真を撮りまくってらしたもんなあ、当然か。

この演出は、うまいなあと思いました。

 

後半の、曹操のお墓についての展示も、お墓の中を再現していて、なんか厳粛な気持ちになってしまいました。

曹操ってやっぱり死んでるんだもんなあ……1800年くらい前に。

今、まさに吉川『三国志』を読んでいる途中なので、死んでる気がしないんですが(^▽^;)

 

今回の展覧会は、そういう小説や人形劇やマンガやゲームの『三国志』が好きな人が、その世界観を味わったり、より深く楽しむための展覧会、なのかなと思いました。

だから、お土産コーナーも、そういうキャラグッズ的なのがいっぱい!

いいんだけどね~。

私も思わず買っちゃったし。

でも、本のコーナーも、そういうのが多めだったんで、ちょっとなあ……。

 

個人的には、冒頭にも書きましたように、「ここまでわかった史実!」的なノリが好きなので、ちっと消化不良気味です。

まあわかりますよ、あんまり堅苦しいと、お客さん入んないじゃんって。

でも、コラボ企画だったら、国立博物館でやんなくてもさ、民間でやってるところあるじゃん? みたいな。

そりゃ民間で、あれだけの宝物を中国から呼べるのか? って問題はありますけどね。

逆に、あれだけの宝物呼んだからには、もうちっと学術的な展示にして欲しかったなあ……。

中国人の来場者もいらしたみたいでしたけど、どう思われたかなあ?

日本人の三国志人気、すごい……とか?

 

曹操は有能な改革者

なんか、ケチをつけたみたいになっちゃってますが、それでも曹操を極悪非道な支配者ではなく、有能な施政者として取り上げているあたりは、良かったです。

「墓は質素にしろ」なんて、かっこよすぎだよ~曹操

どんなに実質権力握っても、皇帝を廃さないで、あくまで臣下としての立場を貫いたってのも、やっぱかっこいいです。

帝位を奪った息子の曹丕だって、献帝を殺さなかったしね。

うんうん、ちょっと最後は寂しい余生だったかもしれないけど、献帝が天寿を全うしてくれたのなら、私はそれで嬉しいです。

 

周瑜の影が薄い

嬉しい……と言った後にケチをつけるのも何ですが。

赤壁の戦いにおける周瑜の影が薄いです。

とりあえずお人形様がいらっしゃらなかった(;一_一)

あれだけ「エンタメ色が~」とか抜かしておいて、人形がないくらいどうよ……ってツッコミ入れたい気持ちが自分でもあるんですけどね(^▽^;)

でもさ~、なぜない?

三国時代一の美丈夫の面は、拝みたいですよね? やっぱり。

てか、顔だけじゃなく、実際に有能だったと思うし。

そりゃ、赤壁以外での戦績はどうよ……っつっつたら、丘は苦手そうだもんなあ……となりますが。

そういえば、孫権の影も薄かったです。

お人形様は、曹操劉備と並んでたけど、明らかに若い彼を一緒に並べるのって、なんかざっくりしずぎ。

呉って、なんか悪事を働きましたかね?

 

三国志って、いつの間に魏・蜀・呉になってたの?

これは、私の前にいたお客さんがお連れ様と話していたことなんですが。

ちょっと前まで、三国時代って魏・呉・蜀だったんですよ。

それが、呉と蜀の順番が入れ替わっている!

ネットで検索すると、それでもまだ「魏・呉・蜀」で記事を書かれている方が多いようですが、今回の展覧会関連の記事は「魏・蜀・呉」になっている。

なんででしょうね。

この順番を入れ替えることに、何の意味があるのか。

単に語感?

それとも、建国した順番?

これはこれで、追究していくと面白そうですが。

順番、変えた方がよくね? って思った人がいるわけですよね。

その理由を知りたいので、ご存じの方はコメント下さいm(_ _)m

 

おわりに

ということで、三国志そのものより、その展覧会をやろうとした人々の心理の方が気になる展覧会でした。

1800年前に思いを馳せつつも、我々は現代に生きているので。

それに歴史って、ただエンターテインメントとしてレジャー的に楽しむよりも、自分たちの生き方に教訓となるような学びを得る方が、個人的には好きなんです。

もちろん、彼らの実情を知りたい純粋な好奇心はある。

彼らは本当はどういう人間だったのか。

ただ、結末を知っているわけですから、彼らの行動がどういう結果を招いたのか、考えていったら、我々の抱える悩みに対する答えも、おのずと見えてくる気がします。

1800年前の他国で、現代と状況は違うと言えども。

人間は、根本的には、同じようなことを繰り返しているわけですから。

そういう意味でも、歴史に興味を持ってくれる人が増えたらいいなあ、と思うのでした。

 

9/16までやってますし、その後は九州で開催されます。

興味のある方は、ぜひどうぞ。

ゲームしかしたことない方でも、楽しめると思います。

てか、多分、そっちの方を意識したつくりになっていると思うので。

 

ありがとうございました。m(_ _)m

 

www.honno-yokomichi.com

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