ほんのよこみち なブログ

元不登校の高校生と、ひきこもり→就労準備中の子を持つシングルマザーが、このくにで生きることを考えながら、本と好きなことを語ります。

『知りたくなる韓国』を読了して考えた、華々しい物語に依存しない、泥臭さを受け入れる強さについて。

 ほんのよこみちです。

読み始めたら止まらなくなった、『知りたくなる韓国』を読了しました。

(……という記事を書き始めてから、一週間経っているんですけどね( ̄▽ ̄;))

 

知りたくなる韓国

知りたくなる韓国

 

 

他国からの支配を受け続けてきた歴史

韓国の歴史を読んだときに、まず感じるのが、中国からの圧力のすさまじさです。

我々には日本海があってよかった、って、心から思います。

大陸と地続きだったら、日本も中国に対して、朝貢外交をし続けなければならなかったでしょうから。

2000年前から、終戦まで。

 

韓国に比べて、日本がいかに自由だったか。

日本海のおかげで、当たり前のように独立国としていられた幸運。

そして今のところ、保身のために国家を売り渡そうとする権力者が出ていないこと。

実質的なアメリカの属国とか、そういうのではなく、名目的に裏切られたわけですからね。かの国は。

他国の国家元首でかつ故人を悪く言うのもどうかと思いますが、高宗さんって、軽率すぎる。

ま、併合した側の人間が言うのも、どうよ……なんですが。

 

で、日本統治時代があって、終戦とともに独立できると思ったら、米ソによる分割統治。

当時の国際状況ゆえ、強者に従わざるを得ないとはいえ、ね。

ちょっとあんまりではないか、と。

日本人のお前が言うなよ、なんですが。

 

日韓関係は悪化したまんまだし、嫌韓を煽るような意見もありますけどね。

他国にずっと服従を強いられ続けてきた、そういう国の人たちの心理を想像して、建設的な外交をしていくことが、大人の対応ではないかと思います。

相手の主張を鵜呑みにするんじゃなく、でもこちらの主張だけを闇雲にするんじゃなく。

互いの利益へ誘導するような。

 

だから、歴史を学ぶことは重要なんです。

 

やっぱり韓国民に対する賠償金のはずのお金が、インフラ整備に消えてる

朴正煕政権の時代の話ですね。

本来、徴用工問題に対する賠償金も、日本は朴正煕政権に払っていたんですね。

でも、それを個人補償に当てないで、インフラ整備に使ってしまった。

ということを真正面から言うと、韓国の体面を傷つけてしまうということでしょうか。

日本だって、戦時中のあれこれを言われると、嫌な気持ちになったりしますから。

 

確かに軍事政権の独裁時代ですし、インフラが整ったことで、その後の奇跡ともいわれる経済発展につながっているわけですし。

ただ、恩恵を受けられる人とそうでない人がいて……という過酷な現実には、厳しいものがあると思いますが。

 

王道だけでは済まないのが外交ですが、王道の方が、他国からの賛同を得やすくなります。

我々も、国家が王道を進んでいるか、覇道に入っていないか、ちゃんと監視し続けなければなりません。

それが、小国の生きる道でもありますから。

 

韓国の人の名前は、フルネームで呼ぶのが基本だそうです

これ、知らなかったです。

普通に苗字だけで「朴さん」とか「金さん」とか読んでました^^;

それが、ホントは失礼なことだったなんて!

だって、漢字表記名は知ってても、読み方がわからなけりゃ、日本語読みだともっと失礼じゃん!

 

まあ、在日の方なら、なんとなく察して下さるだろうなあ~……という甘えにすがっているのも情けないので。

次に韓国・朝鮮系の方にお会いするときに、お話のきっかけにしていければなぁと思います。

——いつになるかわかりませんけどね。

今は、我慢我慢。

 

こんな時だからこそ、できる学び、後悔しないことをしよう

この本をを読んでいると、韓国の競争社会のすごさに「日本人でよかった」などと思ってしまいますが。

でも、教養が深くて語学力もある隣人が、どんどん日本に就職しに来たら、あっという間に仕事を奪われてしまいますわな。

どんどん自分をバージョンアップさせていかないと。

 

韓国人に比べると、我々は確かに恵まれている部分もあるかもしれません。

学歴社会っつっても、韓国ほどじゃないし。

大卒の就職率も、今のところ5割以上あるし。

今回のCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響が、どこまで来るかわかりませんけど。

 

だからこそ、今できることをやった方がいいのかなと思います。

興味あることを学んで、自分の武器をつくる。

スクールに行きづらいですから、オンラインとか独学とかで。

 

とはいえ、気分的に落ち込んでしまうし、いつまでこの状況が続くのかわからないし。

自分もいつ、感染してしまうかわからないし、重症化してしまうかもしれないし。

とても、将来を見据えた勉強なんて、する気分になれないかもしれない。

 

そうしたら、やっぱり、気分が少しでも上がるような、やりたいことをやった方がいいですよね。

多分それが、自分が一番やりたいことだと思うので。

 

こんな状況で、たとえばやりたいことを仕事にしていたのに、うまく回らなくなってしまって、気分が上がらないかもしれません。

それでもこの試練を乗り越えたら、その好きなことを、もっとうまくできるようになっているかもしれない。

なので、やっぱりやりたいことの学びをやった方が、いいのかなと。

 

韓国の人みたいに何か国語も喋れたり、ITスキルもあって、基礎教養も高くて、さらに美形……なんてのを目標にしてしまうと、ちょっと心折れますからね。

あれもこれもハイレベルを目指さなくても、自分が好きなことで深めていければ。

一朝一夕に、あれもこれも身につけることなんてできないのですから。

 

それにやっぱり、もし新型コロナ感染で死んでしまうのなら、やりたいことをやっておかないとねえ。

死ぬ瞬間に後悔したくないっしょ?

もちろん、他人様の生命を脅かさない範囲でのやりたいことなので、インドアなことに限定されてしまうんですけど。

でも、こんなときだからこその発想力って、人を魅力的に成長させてくれると思うんですよね。

 

国や民族としての、華々しい物語性に依存しない、泥臭さを受け入れる強さを持ちたい!

この『知りたくなる韓国』を読んで強く感じたのが、「人は国に、華々しい物語歴史を期待してしまう生きものなんだ」ということです。

どこの国にも、ファンタジーのような神話物語があり、自国の歴史を、華々しいものであろうと、都合よく解釈していく。

韓国と日本との歴史認識齟齬は、そういう人の弱さも絡みついているんだと思います。

お互いに。

 

韓国は、朝鮮という旧国名ですら、中国の王族が支配した国名という歴史的背景を持ち、常に中国の属国に甘んじて来ざるを得ませんでした。

生き延びるために文治政治を取り、生き延びるために現実的な路線を取り、故に、独立戦争ではなく穏健な方向性を取る結果となってしまった。

だからその歴史は、物語としての面白みに欠けるものだったかもしれない。

それは、屈辱の記憶でしかないかもしれない。

しかし、華々しい物語というのは、時に人の心を惑わす麻薬になりうる……。

 

人間は、物語が好きだ。

物語が好きだからこそ、祖先の歴史が英雄譚であれば嬉しいし、ツッコミどころ満載の創世神話にもつき合っている。

本当の歴史がもっと泥臭く、物語的でないとしても、できれば少しでも華々しくあってくれればいいのになと願い、その願望に応えるかのように、権力者は歴史を加工してきた。

その加工は、時の権力者の自己正当化にも役立ってきた。

だから、国家間での争いの火種にもなる。

 

今のこのCOVID-19(新型コロナウイルス)の惨禍も、物語であってくれればいいと、正直思います。

物語であれば、必ず新薬が開発されて、危機的状況の人の多くが救われて、自分は生き残れるだろうと思えるから。

でも、我々は傍観者ではなく当事者なのです。

楽観的希望的予測物語を信じて、対応が後手後手に回っている国の市民なのです。

 

物語ではない、現実的な泥臭さを受け入れる強さが必要なのではありませんかね?

 

うちの国にも良さはありますが、とんでもないこともアホなこともいっぱいやらかしてきたし、現在進行形でも未来形でも、そうなのかもしれません。

人間ですから、間違えることもあります。

ただ、間違いを認め、それをどう挽回するか。

みっともなくても、汚泥の中を這うような作業であっても。

そういうことに向き合う人を、もっと称賛できるようになれば、いいんですけどね。

 

私も物語が好きなので、物語性と距離を取る思考は、なかなかしんどいです。

間違いを挽回する……ということも、物語の一つではありますから。

かっこよく成長するのが、当たり前……という幻想ですね。

 

だから、歴史を学んだり研究したりすることは、必要なんだと思います。

人間が、平和で安心して生きていくために。

私が歴史好きなので、余計にそう思うのかもしれませんが。

 

科学技術の重要性とともに、人文学も粗末に扱っていいものじゃないんですよ。

ただ、時の権力者にとっては、人文学は諸刃の剣なので、冷遇しがちなんですけどね。

ということを再認識した読書経験となりました。

 

ご一読いただき、ありがとうございましたm(_ _)m

 

知りたくなる韓国

知りたくなる韓国